才能を伸ばすシンプルな本
師匠のおすすめ本ということで、ここに転載しました。
才能を伸ばすシンプルな本
ダニエル・コイル 著
弓場隆 訳
どうも、銀です。
最近、能力開発の本を読みます。
本書のほかにも。
「究極の鍛錬」
「成功する練習の法則」
「達人のサイエンス」
はおすすめです。
才能を伸ばすシンプルな本は文字通り、非常にシンプルに書かれているため、より詳しく学びたい人は上記の3冊のような類書で学んでください。
俺には才能がないから・・・と諦めてはいませんか?
多くの研究の結果、才能は「遺伝」より、「行動」で決まることが確立されようとしています。
本書でいう行動とは、脳の成長を促す徹底的な練習とモチベーションのことです。
本書では、普通の人がどのように努力すれば、一流と呼ばれるまでに成長するかをシンプルに教えてくれます。
秘訣は全部で52個あります。
この記事では、僕がピックアップしたもののみ紹介しようと思います。
はじめに
第1章 はじめる―観察して、盗んで、バカになる
第2章 スキルを伸ばす―スイートスポットを見つけて背伸びをする
第3章 上達を維持する―繰り返し、へこたれず、目標を秘密にする
第1章 はじめる―観察して、盗んで、バカになる
第1章で紹介される秘訣は、大きく分けると、
①心構え
②スキルを身につける練習をする方法
③その道の達人からうまく盗むことによって学習を向上させる方法
である。
「才能は生まれつきのものだ」という考えを著者は否定します。
才能の出発点は、自分のアイデンティティを一流の人や団体と結び付けてモチベーションに火をつける短く強烈な出会いであり、心に動機づけを与える革命的な小さな思考から成る・・・と。
秘訣1 なりたい人を見つめる
人はみな、周囲の影響を受けて生きている。
だから、モチベーションに火をつける方法の一つは、なりたい人を毎日じっと見つめて、そのイメージを鮮明に脳裏に焼き付けることである。
上達のコツは、上級者の模倣というように、初心者こそプライドを捨ててどんどん真似ろっていうことですね。
イチローみたいになりたい人は、イチローのスイング、構え、動きを徹底的にモノマネするのが近道ってことだと思います。
会話が上手くなりたかったら、お笑い芸人を模倣するのもありです。
特に今はネットで調べれば大抵何でも出てきますから、始める前にお手本となるものを見つけるべきです。
特に、動画はおすすめだそうです。
できれば、毎日でもなりたい人の姿を見て刺激を受けると良いです。
秘訣2 1日15分を使ってスキルを脳に刻み込む
肉体的なスキル
自分が相手の体の中に入り込んでいるイメージをするといい。
動きとリズムを意識し、その動きの内側の形を感じとることに努めよう。
知的スキル
達人の意思決定パターンを心の中で再現することによって、そのスキルを疑似体験するといい
秘訣8 ハードスキルを身につけるには、注意深い大工のように作業する
ハードスキルとは、いつもできるだけ正確におこなわれる行為のことだ。理想定な結果を得るために勇逸のスキルで、まるで正確なロボットのようにおこなわれる。
基礎動作の確立です。
ハードスキルは、正確にしっかり測定しながらゆっくり行うように著者は言います。
野球でいうと、ゴロを捕るとき、
・腰をしっかり落とす
・ゴロは正面で捕る、捕球できなくとも前に落す
・グローブの4本の指を地面に付ける
のような基本的な動作を1回に一つの単純な動作を行い、繰り返しによって完璧に仕上げてから次に進みます。
特に最初はミスを発見し、修正しながら行います。
基礎練習は非常に退屈ですが、ここをおろそかにしてしまうと確実にスキルが伸び悩むことでしょう。
最初は変な癖がつかないように、退屈でも基礎を脳に叩き込むことが重要です。
秘訣11 神童の神話を真に受けない
ほとんどの人は「才能は茶色の髪や青い目のように先天的なものだ」と教えられて育った。その結果、才能をもっていることのもっとも顕著な兆候は、努力せずに幼少のころから何かがうまくできることだと思い込んでいる。つまり、神童だ。
しかし、あのバスケの天才と言われたマイケル・ジョーダンでさえも高校2年の時に実力不足でバスケットボールチームの登録から取り消されたそうです。
むしろ神童と呼ばれる人たちは、幼少のころから世間の賞賛と注目を浴びるので、自分の地位を守るためにリスクを取らなくなり、学習のスピードが遅れるそうだ。
才能の開発は「短距離走」ではなく、「マラソン」である。と著者は主張する。
第2章 スキルを伸ばす―スイートスポットを見つけて背伸びをする
秘訣19 ドリルをするのではなく、クセになる小さなゲームをする
達人に共通することは、楽しさと情熱を感じてワクワクしながら物事に没頭することだ。
どんな面白みのない活動でも、良いコーチはそれをゲーム化する術を心得ているそうだ。
今、指導してくれるコーチがいない場合は、自分が自分自身のコーチになるべきだと僕は思う。
つまらない単純作業はゲーム化してしまおう。
(○○できたら1ポイント、できなかったら‐1ポイントなど)
秘訣20 ひとりで練習する
ひとりで練習すると効果があげられるのは、
① 能力のげんかいにあるスイートスポットを見つけ、
② 誰にも頼らずに実行する規律を身につける最高の方法だからだ。
一流のプロは素人よりひとりで練習する時間が5倍近くあるらしい。
秘訣21 具体的なイメージで考える
ある行動を行うとき、できるだけ具体的でイメージしやすいものを脳内で思い描くべきだ。
野球のバットの握り方でいうと、
「バットを握った時に(右打者の場合)右手の第2関節と左手の第3関節が真っ直ぐになるように、若干絞る感じで握る」
というより、
「バットを握った時に(右打者の場合)右手の第2関節と左手の第3関節が真っ直ぐになるように、卵を柔らかく握るようなイメージ」
といったほうが、イメージしやすいです。
このようなイメージを脳内でいくつか確立することで毎回同じ塩梅が整うと思います。
秘訣22 ミスをしたら、すぐに検証する
ミスに対しては、「深刻な態度」ではなく、「真剣な態度」で受け止めることが肝心だ。
ミスは上達のための案内役だと著者は説きます。
失敗は成功の基と言いますが、これは非常に理にかなっていると言えます。
秘訣33 本から学ぶには本を閉じる
これは逆説的だなとはじめ読んだとき思いました。
第3章 上達を維持する―繰り返し、へこたれず、目標を秘密にする
秘訣43 繰り返しを大切にする
繰り返しはスキルを伸ばすために最も効果的な方法である。
脳の神経回路を高速かつ正確にするからだ。
秘訣51 大きな目標を内緒にしておく
大きな目標を周囲に言うと、無意識で取り組みが完了するため、脳が勝手に達成すると勘違いするそうだ。
僕は人に行ってしまいがちなので注意しなければと思った。
<総評>
この本はいかに才能が後天的なものなのかを教えてくれる本だと感じた。
もし、俺には才能がないから・・・と諦めてしまっているなら、この本は良いバイブルになりうるのではないかと思った。
才能の壁というのは、私たち人間が勝手に定めた壁なのかもしれない。
最近Yutubeでイチローの動画を見ることが多いが、彼は天才という言葉では、片づけられない存在になっている。
彼こそ、努力の天才だろうと思う。